第二回 木材雨ざらし試験 

少し前のブログで塗料の雨ざらし試験結果をご報告しました。
その試験の結果として「私の使う塗膜塗料は針葉樹の方が効果がある」というような結果でしたが、まだまだ種類が少なかったので正確な結果というわけではありませんでした。
塗膜塗料の剥がれの原因として、①塗料と木との相性 ②塗膜の不足など施工不良 ③外的要因 があるかと思います。

いずれにしても一度の実験だけでは何ともいえません。

そこで!今回は取り扱う全樹種で①雨ざらし②軒下の2つの環境で実験を行うことにしました。オイル仕上げ、塗膜仕上げ両方です。
20種類以上の樹種があるため、全部で80個以上のサンプルの準備は大変でしたがこういうものは一気につくらないと完成しませんので頑張りました。

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乾燥庫も所狭し

実験内容

使用するのは オイル仕上げがリボス社 デュブノ(下塗り剤)とカルデット(クリアーオイル)。4回塗りで4回目はカルデットの塗りっぱなし。
塗膜仕上げは大洋塗料のウッドスキンコート。 今回は下塗り2回、上塗り4回としました(つや消し剤は使用していません)。
そのほか、導入を考えているオスモ社の425 ウッドステインクリアーと701外装用クリアープラスつや消し も雨ざらし実験をします。ほぼ塗りっぱなしの2回塗り。

これをウッドデッキに平置きにして雨ざらしとし、軒下環境はデッキのついている家の壁面に取り付けました。
あまざらし・軒下それぞれ日光は一日中よく当たる場所です。雨があたることのみ違うという感じです。

オイル仕上げは特性ゆえに再塗布が必要なので、適宜オイルを塗布します。 塗膜塗料も初期の塗布不良の場合は足し塗布を行う予定です。

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まずオスモ社のクリアーオイル2種類についてです。
初めて使うので少量のサンプル塗料を使用しました。少ないので表札によく使う木材をメインに試験します。

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上段左より ウォルナット、ホワイトオーク、山桜、米杉、檜
下段左より 栗、しゅり桜、チーク、タモ

普段使っているリボスのオイルとは違い、トロリとした塗料で匂いが車のワックスに近い香りです。カルバナワックスが含まれているからでしょうか?
専用のこてバケでほぼ塗りっぱなしで2回ぬります。いつものオイルとは勝手が違うので苦戦しましたが、2回目の塗布が乾くと表面に塗膜のようなものが形成されています。
オスモは同業の方からの推薦がありましたので期待しています。

メインのオイル仕上げと塗膜仕上げの比較試験です。
素材別の雰囲気や特徴なども記述していきます。
それぞれのサンプル木材が大きさがまちまちですがご了承ください。
写真の左がオイル仕上げ、右が塗膜塗料。オイル仕上げの方が一段沈んだ色(濡れ色)になります。

針葉樹から

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 天然秋田杉  端材として試験使用。天然杉として木目が詰まっている。香り強く木自体は柔らかさがある。褐色の色合い。

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 サイプレス 糸杉の種類。欧州ヒノキとして知られ非常に強い香りがある(ゼラニウムのような香りでアロマオイルにも使われる)。油分が多くウッドデッキにも使われる。独特の木目。

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 天然木曽ひのき 木材比重としては軽い方。持つと大きさの割に軽く驚く。強い香りを持ち木目が詰まっている。耐水性があるのでお風呂にも使われる。

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 ウエスタンレッドシダー 米杉とも呼ばれる。杉独特の香り。非常に木目が詰まったグレード。住宅の羽目板など建築材としても使用される。

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 一位(いちい) 表札によく使われる。芯材は鮮やかなオレンジ様の色合いで辺材は白色。木肌が密で磨くとなめらか。香りはほとんどない。


 
広葉樹

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 ウォルナット 紫がかった茶色で人気のある木材。心材が茶色で辺材が白色。とてもモダンな雰囲気。香りは特になし。(通常はカラーオイルを使用するが、今回はクリアーオイルで試験)

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 タモ 明るいベージュに細かな木目が見える柾目板。粘りがある木材として野球のバットや椅子に使われることが多い。香りは特になし。

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 ホワイトオーク ナラとも訳される。薄めの茶色に虎斑(とらふ)という独特の模様が入り込むことがある。非常に堅い樹種。香りが高く、ウイスキー樽に使用される。
 

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 しゅり桜 ほんのり桜色を感じる人気木材。心材がピンクグレー、辺材は白色。和洋どちらの雰囲気にも合う印象。木肌が密で磨くと手触りが良い。山桜のような香りはない。堅め。
 

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 山桜 流通量の少ない希少材。密な木肌で耐久性があると知られる。 桜餅のような香りがある。

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 神代楡(にれ) 長い間土中に埋もれていたため、独特の深緑の色味になっている。 木材としては比重は軽い。

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 栗 白色系の木材。導管がしっかりしていて木目がしっかり分かる。比重は軽い方。和風な雰囲気がある。加工しやすく香りはほとんどない。

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 メイプル 乳白色のきれいな木材。独特の木目があり経年で飴色に変化する。堅い木に入る。香りは特にない。

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 ブラックチェリー アメリカンチェリーとして知られる木。深い褐色と独特の木目が人気の木材。落ち着いた雰囲気で経年変化も良いという。

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 ミズナラ 日本のオーク・水楢。ホワイトオークとかなり似ているがもう少し繊細な木目の印象。オーク同様香りがよい。とても堅い。

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 ホワイトアッシュ 白色系の木。固く重量もある。曲木に使用するトネリコの仲間(あまり制作していないので詳しい印象がありません)

 
南洋材

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 チーク ミャンマーチーク。油分が豊富な木材。程よく柔らかく加工しやすい。香りなどは特になし。

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 月桂樹 端材として試験。 非常に密度が高く、木目や模様が美しい。金属や鉱物に近いような雰囲気。加工すると油分のようなものが断面から出てくる。

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 カリン オレンジ~赤の深みのある木目。オイル仕上げが美しい。非常に堅く金属のような固さ。木琴に使用されることもある。

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 ウリン 重厚な雰囲気と重量感。断面は赤く表面は茶色(牛肉に見えました)。ウッドデッキに使用されることがある。現地では100年耐える木といわれている。

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 紫檀 黒と紫の木色。非常に堅く金属のような雰囲気。切ると独特の臭いがする。

自分としての印象と豆知識でした。

南洋材の重厚な木は木目も美しいですが手で加工するのには固すぎます。逆に柔らかい針葉樹でも耐候性があるものも多いようです。

木として魅力のあるもの・加工がし易いもの…つくる側として難しいところです。何に使用するか適所適材があると思います。表札や看板には耐候性や耐久性、抗菌性もあるとなお適していると思います。

きれいでも値段が高い木材や環境破壊につながる木材はやはり使うのがためらわれます。逆に地元でとれる木で作れるならそれも素晴らしいですよね。長野県ならカラマツで家具を作る方もいらっしゃいます。

塗料に関しても、自然塗料を使うのは自分のポリシーに合うし、使っていて気持ちいいからです。たまに耐久性のために化学塗料も使いますが、シンナーの臭いがきつかったり手について荒れてしまったりと、いつまでたっても苦手です。基本的には天然成分の塗料を中心にやっていきたいと思っています。

今回はあくまで個人的な工房での、木そのものの耐候性と塗料の耐久性のテストとなります。
ブログに載せるのはご覧になるお客様や同業の方の参考にと思っています。特定の塗料の優劣を提示するものではありません。

また一定期間経過したらご報告していきたいと思います。

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