九重星生ホテルのモチーフ
先日お届けしたホテルのナンバープレートのモチーフについて、もう少し画像をアップします。前回のブログと全体画像はこちら。
こちらのホテルの構造上、各階の部屋数と作りが微妙に違っています。
通し番号で樹木のモチーフを最大11種類、プラス特別室の2部屋分、普段使わない大部屋?用の3部屋に鳥のモチーフを別々で作りました。 合計37部屋分です。
まずは特別室のモチーフは少しだけ豪華にという要望なので、やはり松と梅かと。松竹梅だと竹が少し難しく、今回はこの2種にしました。 開閉するドアに直接取り付けるプレートなので壊れやすくても困るため、全体的にぽってりとしたデザインにしました。
そしてこのようになりました。松の部屋プレート画像は残念ながらありません。納期が迫り梱包を焦って、撮影を忘れてしまいました。
最初に特別室から考えたので、他の部屋に関してはわりと自由に作って…と言いたいところですが、なかなか難しい。思うものをかたちにしていくことの難しさを改めて実感しました。
割とよくある針葉樹のイメージ。神代楡の深い緑色を活かし、葉のパターンを彫刻刀で彫り込みました。
イチイのきれいな黄色でイチョウを表現したかったのですが、あまりうまくいきません。苦肉の策でドットの模様を入れてみました。
何の木?と言われると答えられないデザイン。他のものとこれだけ異質な感じで採用するか迷ったのですが、たくさんある一つならいいかなと。
これは庭木の樹形を採用しました。二股に分かれる幹が地味に大変です。
これもイチイのきれいな黄色を紅葉のイメージで作りました。細い彫刻刀で丁寧に彫りこんだので、雰囲気が良くできたものの一つだと思います。幹の木の色もしっくりきました。
これは「桜」として作りました。言われれば分かるでしょうか?バーズアイメープルのきめ細やかな木肌をなだらかに磨いて、ふんわりした桜のイメージにしました。
大松があるならと小さめの松も製作。特徴的な松は形が良く決まります。
これも神代木の緑を活用した針葉樹のイメージ。神代楡の木肌はあまり彫刻には向きませんでした。
紅葉の街路樹のイメージ。イチイと花梨が鮮やかな色です。でも何かイマイチ…と思いつつ取り付けてしまいました。
これも庭木の樹形からデザインしました。イメージしたものはもう少しかわいいものなのですが…。
これはヒマラヤ杉のイメージです。針葉樹でも種類により葉っぱが上や横、下に向かっているものなど様々です。太い幹にしてみました。
統一感もなくなかなかグッドデザインができませんでしたが、数が多いので多様性の樹木の集まりとしてそれぞれありかなと自分を慰めています。
鳥のモチーフは明確にご要望があり、これはホオアカ。
こちらはオナガ。
3つ目がフクロウです。
こちらも統一感がなく恥ずかしくてだんだん下向きになってしまいますが、取り付けると意外とそれほど悪くなかったです(しかし写真を撮り忘れました)。
作ってみて、こういった物を作る自分の現在位置が分かった気がします。大変でしたが、それでも楽しく作れました。出来なかったことはたくさんありますが、前を向いてまた作りたいと思います。