表札の彫り込み
今日は松本、29℃まで上がりました。押し入れから半袖半ズボンを出して着ていました。季節の変わり目、温度差が厳しいですね。
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表札の切り抜き文字について、いつか写真を載せようと思っていました。いつも撮影し忘れてしまうのですが、ようやくアップできる写真ができました。
最近小型レーザープリンターが普及してきましたので、木や革にレーザープリントをして小物販売をしている方も多いですね。
私の作るものは基本的に切り抜きです。よく文字を「彫る」のですか?と聞かれます。基本切り抜きですが、部分で彫るところがあります。
9月に制作しましたこちらの表札を例にさせていただきます。
ベースの板に筆記体のご苗字。この英字を「切り抜いて」います。でも「O」「g」「a」の中、島になってしまう部分があります。そのまま切り抜くとストンと落ちてしまいます。そのようにならないよう、「彫り」を行います。
「a」の文字、ほとんど切り抜いていますが2か所つなげています。(2か所というのは経験的に強度が保ちやすいからです。)
文字のキワの部分を彫刻刀で切り込みを入れます。
ちょっとずつ、彫っては切り込み、彫っていきます。
ある程度彫り込んで、光の加減で文字がつながっているように見えたらOKとします。
そして反対側。
先ほどの要領で切り込み、掘り込みの繰り返し。
その書体・その文字の一番目立たない部分でつなげて、「あれ?どこがつながっているんだろう??」と思えるのがベストです。
一通り彫り込んだところ。
紙を剥がして…
こんな感じです。これをよく見ると
まだ彫ったところがなじんでいません。ガタガタしています。
キワを細い彫刻刀で少しずつ削り、切り抜きの線と一体になるように調整します。そしてやすりをかけて終了。
文字のどこの部分をつなげ、彫り込んでいくかを決めるのが難しいです。今回は筆記体のため斜めにつなげる仕様としました。
木の繊維に沿って彫ると割れてしまうリスクが高いですし、あまりに狭い部分を彫り込むのも深く彫れないのでイマイチになります。
そもそも掘り込みをやめてステンシルのような切り抜きにするという事も考えますが、上手く彫り込みができるとやはりその方が良いと改めて思います。
こういう事はやはり手作業でできること、手作業でしかできない事かなと思います。
切り抜き・掘り込みはプリントと違って消えません。
手間がかかるものはそれなりの価値があると思います。
コメント
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とても参考になりました。