2024.05.17
カテゴリ:メンテナンス
イチイの表札のメンテナンス依頼
表札のメンテナンス依頼がありました。
さかのぼる事8年前です。制作例に画像がありました。
イチイ材とウォルナットで製作した表札です。 ご依頼主のご家族の手書き文字を切り文字にして製作しました。
そして8年後の現在。
味わい深くなったのですがやはり経年劣化部分もあり、わずかなヒビや反りがあります。全体的に汚れた部分もあり、メンテナンスのご依頼となりました。
まずは慎重に切り文字を取り外します。
特別な道具などはありませんが木を痛めないように取り外します。この時に切り文字を破損してしまうとすべて作り直す必要が生じます。
外した後は状態によりますが洗浄かサンディング。
綺麗になった後はオイル仕上げです。現在オイルは3度塗り。
いつも表札づくりで時間がかかるのは文字の取り付けです。ここがうまくいかないとすべてぶち壊しとなります。幸い経験の積み重ねで修正できる方法も身に着けてきました。
ただ今回のメンテナンスは、もう切り文字の取り付け位置が確定しているので難しくありません。ただ切り文字に負荷がかかるような余裕のない取り付けをしてしまうと破損の原因にもなるので、この辺りは注意して取り付けます。
そして完成。
思ったよりも色味が見事に復活しました。 経年の味わいも残っていていい感じです。ひび割れが起きていた部分もオイル成分が固まり修復されています。
今回はかなり手間がかかった、とても贅沢なメンテナンスとなりましたが木は不思議ですね。天然素材の味わいと扱いやすさがあります。手をかければ長く使う事ができます。
ただし、木をサンディングするのでどうしても厚みが減っていきます。何度もできる事ではないのですが、お家とともに時を重ねて味わいを深めていけるのが木の表札です。