表札の製作例 2022-5
今年の夏は残暑らしいものがなく、肌寒い雨と虫の音はもう秋の雰囲気です。 近くのJAの集荷場もぶどうの最盛期です。
少し前の製作例からご紹介します。
最近のご依頼はシンプルな表札が多いように思います。 プライバシーと実用性のバランスが今の雰囲気なのかもしれません。
こちらの表札は18cmとサイズが大きめでしたので、反り予防として裏面に鉄の板を取り付けています。 木本来の動きを強制的に封じるのは好きではないのですが、かといって屋外で使うものなので反りが起きても困ります。折衷案として現在の所、このような加工を施しています(15cmくらいまでの柾目板には使っていません)。
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ウォルナット材、柾目横木目のシンプルな表札です。
ウォルナットが工房の在庫で少なくなってきました。濃色の木材で魅力的なのですが、退色が表札として難点です。
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15cmの正方形。英字が鯨海酔候、漢字が朗太書体というフォントです。対照的で個性のあるフォントが
面白いと思いました。 ベース板がウォルナット、切り文字が栗。 「高」の文字はすべてのパーツを一塊として切り出しています。
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こちらは12cmの丸型、フレームと番地の数字を入れた表札です。
穏やかな木目のオークとチーク材を使用。
裏面はフェライト磁石仕様です。フェライト磁石は錆にも強い強力磁石で、鉄製のキャップがついて磁力がより強くなります。 貼りつけるとまず剥がれ落ちることはありません。
磁石が取り付かない場所でも、「補助プレート」と呼ばれる鉄製のプレートをねじ止め・もしくは貼り付けると取り付けられますので、実質的にはどこでも磁石仕様の表札をつける事ができます。
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そういえば先日、家の壁に見たことのないきれいな虫がいたので写真に撮りました。2cmくらいで羽が透けていて、きれいな模様もあります。
今は全く分からないものでも、調べる手立てがあるので素晴らしいですね。 写真をグーグルカメラの検索機能で調べると似た写真をインターネット上からピックアップしてくれます。
すぐに分かりました。スケバハゴロモ というのが名前だそうです。桑の害虫になる事が多いとの事なので、養蚕が盛んだった信州では困った害虫だったのかもしれません。
でもなんでも調べて答えが分かっても、人がどんな理解をして何が頭に取り込まれていくのか、結局はその人次第なんですよね。浅い知識で知ったかぶりしてしまう事が良くあります。頭でっかちにならないように気をつけたいものです。