ピークを脱するも/水中乾燥

木工と関係ない話で恐縮ですが、親知らず抜歯後の話です。
3本目の親知らず、下奥に生えた親知らずを抜歯後に穴が塞がらないドライソケットという状態になりました。

症状まとめです。
私の場合はという事ですが、その抜歯10日までは鎮痛剤なしでは激痛に悩まされる毎日でした。薬が切れる前に服薬、という感じで毎日6~8錠は飲みました。
ところがその後次第に痛みが薄まり薬も2~3錠で済むようになった日があり、「これはピークを脱した!もう直るのか?」と思いました。
でもその後、次は頭痛やあごの痛みといった質の違う痛みに悩まされ、今度は鎮痛薬を飲んでもあまり効かなくなってしまいました。
仕事をしてはいますが集中力も続かず痛みに疲れて横になって…という日々が3日ほど続いています。身体的には仕事ができるのですが十分な仕事とは程遠い毎日です。それでも最初の地獄の10日間のピークは脱しているので快方に向かっている感じはします。抜歯した周辺も表面的な歯茎の腫れという感じになってきて、食事も気をつけながら両側で噛めるようになりました。
全部の歯で噛めると舌全部で味わう事ができます。これがなんと素晴らしい事か!と改めて実感しています。やっぱり歯は大切です。

幸いお客様にもこの辛さが分かってくれる方も多く、早く治ってくれることを信じてひたすら日々過ごしています。 なので2~3か月前にご依頼された方の仕事が少しずつ遅れてきておりますのでどうかご容赦頂ければ幸いです。

少し前に当工房に来て相談された方の話です。

ご自宅に植えてあったイチイの木で表札ができないか、というものでした。 きっと径の大きなイチイかなと思いましたら直径14・5cmの小ぶりなものでした。 イチイは庭木として良く植えられていますが、材木として使用できるほどに大きいのはだいぶ樹齢が進んだものです。

ご依頼主は輪切りのような板にしてできないかとお考えでした。 
そこで以前から試したかった「水中乾燥」という方法を試してみました。 昔から木材は水に浮かべて運ぶ方法をしているのを知っている方も多いと思います。江戸時代の「木場」という場所は文字通り木材の集まる場所で、川に木を浮かべていました。
木を水に沈めていたらいつまでたっても乾燥しないだろうと思いますが、木材の乾燥には複雑な要素があるようで、丸太をただ放って乾燥させていてはあっという間に木口からヒビが放射状に入ります。 でも水中乾燥の方法をとると、木材の内部の不純物のようなものが流れ出て、その後じっくり乾燥させると割れの少ない(もしくは割れのない)木材になる、というものです。
木材の自然乾燥にしてもたとえ雨に打たれたとしても木の細胞レベルの乾燥は進んでいて雨に濡れた部分が乾きさえすれば木はどんどん乾燥するようです。

今回預かったイチイ材は3cmほどの厚みで輪切りにし、水につけて乾燥させてみました。 水中2週間、水揚げして日陰での乾燥を2週間、あわせて4週間ほどで木材の水分含有率を測ったところ17%でした。屋外自然乾燥でしたらいい感じではないかと思います。

割れに関してはごく薄く割れが入っている部分もありますがこれは許容範囲かなと思っています。細い幹で枝分かれもありましたが、意外といい感じの味わいが出ています。

水中乾燥

今後どの木材が採用されるか分かりませんが、私としても新しいことにチャレンジ出来て勉強になっています。

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