修理から新しい表札へ
長い長い梅雨ですが、松本は雨の合間のお天気が2日ほど続きます。
以前に塗膜仕上げでお作りした表札の修理依頼がありました。
最初の表札
雨ざらしの環境だったため塗膜が剥離してしまい、水が木の中に浸透して剥離が進みます。
塗膜が剥離した表札
ご依頼主が塗膜を補修しながら使ってくれましたが、どんどんはがれてしまいました。
切り文字にひびが入っている
もとの木の色味も薄れています。
ここから補修の開始です。今回はひさしをつけた表札にバージョンアップする事に決まりました。
まず切り文字を外してベース板の塗膜を剥がします。
切り文字はとても細かくヒビも入っています。塗膜を剥がすのと新しく切り出すのは手間がほとんど変わらないため新しく作りました。
切り文字の制作は、切り出してからサンディングし、その後の毛羽立ちを抑えるために「水引き」をした後にオイルを塗ります。
「水引き」とは塗料を塗る前のやすりがけをした木にたっぷり水を含ませる事です。そうすると毛羽や凸凹が現れるので、乾いてから再度サンディングして仕上がりをよくします。
表札の場合は雨や湿気を吸い込み、のちのちに毛羽が現れることがあります。なるべく良い状態を保つためのひと手間です。
水引き後の毛羽立ち
再サンディング
サンディング後
ベース板には最初の文字を付けていた時の穴が開いていますので、取り付けピンの位置を新しい切り文字につけて穴を開けます。
そして同じナラの素材のひさしを作り取り付けます。
オイルを塗って、最後に文字を取り付けます。
そしてようやく完成です。
今回の表札にはオスモオイルを使用しました。
どうでしょうか、新しい雰囲気の表札に生まれ変わりました。細かな切り文字ですがひさしが雨から守ってくれることでしょう。
ベースは元の表札のものなので、よく見ると年季が感じられます。木の表札は手入れしたり削ったりして元の木の色合いも戻りますし、味わいが深まります。
作り直しやメンテナンスを行うと、いい表札になってきたなとしみじみ思います。
これまでお作りした表札で、何か困っている方がいらっしゃいましたら遠慮なくご連絡ください。送料のご負担でメンテナンスは無料で行っています。手間がかかる部分がある場合はご相談いただいてから修理いたします。