松を切る音

遠くからチェーンソーの音が聞こえます。たぶん松を切る音です。

私は松本に住みだして、足掛け15?年くらいになります。
住み始めから変わったことはいくつもありますが、松本の松枯れ問題はとても胸が痛くなります。

松本市内、近隣の山を車で走るとそこら中の松が枯れています。冬になると広葉樹の落葉で紛れてしまいますが、夏は枯れた木の白い木肌が不気味に見えます。それがもうそこここの山で。

いろいろ市としても対策をしているようで、薬剤の空中散布を予定していましたが民家が近ければ人的被害も不安ですので住民の反対もあり、結局は中止となりました。これといった打開策が無いのが現状です。

画像の説明

家の裏山はこんな様子。国有林だけ松の伐採が始まっています。

松枯れの原因は松くい虫という線虫と、その線虫を運ぶカミキリムシだそうです。木の中がスカスカになり木が死んで、倒木被害や土砂崩れの原因になります。
今年の大きな台風でも各地で倒木やそれが原因の停電がありましたが、この山でも強風で倒木がありお宮に倒れたとの事。

写真の山は近くで見るとドーンとそそり立つようで、土砂崩れは大丈夫?と心配になりますが、職員の人曰く(説明会に行きました)理論上は大丈夫な角度だそうです。でも想定外の事が起きる世の中。備えは必要です。

伐採した木を運び出すのはおそらく切るよりも大変でしょう。
その後の処理は、①切った木をある程度に玉切りし、②残った切り株や打ち込んだ杭で転落しないようにまとめ、③生分解するビニールで覆い、薬液による燻蒸 という手順だそうです。

伐採が終わった山にはいくつかの広葉樹が残っています。
この辺に多い「ニセアカシア」の木がぐんぐん勢力を拡大しているようですが、この木は根が浅いらしく山の管理の観点からは好ましくないようで、これも切って欲しいという意見もあるようです。 ただ、何も木が生えていないはげ山になるよりは土砂の流出は抑えられるので、当面はこのまま。今後は様々な種類の広葉樹、また虫害に強いといわれる種類の松が植えられるそうです。

この松枯れ、場所によっては被害がない場所もあると思いますが、全国的な問題だと思います。地域の身近な山がこんなにも様変わりしていると他人事とは全く思えません。

この線虫は昔に外材についていたものが原因といわれていますが、そもそもの原因は地球環境の変化、温暖化など、複合的な要因があって起こっている問題かもしれません。 大きな観点での対応は誰が考えるのだろう?

松本市のホームページをリンクしますので興味ある方はご覧ください。

まだしばらく松を切る音は続きそうです。

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