ピッケルとつるはし

先日ご依頼いただいた表札、山が好きな方で、表札の中にモチーフとして「ピッケル」を入れてほしいという注文がありました。

もちろんピッケルは知っているつもりなんですが、「つるはしにならないようにしてくださいね」という一文もあり、いくつか試作してみました。

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最初の試作品

ただ、岩や土を彫り込むような形状のヘッド部分はつるはしもピッケルも同じです。なので何がピッケルらしく見せるのか、つるはしになるのかを考えたりしていました。
もちろん現代の登山家が氷瀑で使う、恐竜の骨のような本気のものではなく、いわゆるクラシックな杖ピッケルを依頼主も私もイメージしています。

それでなんとなく見えてきた違いを書いてみますと

① ピッケルはヘッドが小さく、柄の部分が細く長い。
② つるはしはヘッドが抜けないように柄の部分が貫通して上に少しはみ出ているものが多い。
③ ピッケルは柄の部分の下が石突きがついている。

この違いに注意すると、ある程度違いがはっきりしてくるのが分かりました。

ただ絵に描くのではなくて立体物として、しかも表札につけるモチーフなのでそれらしく見えるように作る必要もあり、ちょっと悩みながら作りました。

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最終的にこのようになりまして…。
取り付けができる細さの限度や屋外にさらされていくことの必要な強度など、自分なりにいろいろ考えてこのような形になりました。 なかなか難しい。

ときどき子供にせがまれて猫やウサギや犬など絵に描きますが、クマに見えたりキツネに見えたり、子供の目線は素直ではっきりしています。特徴がしっかりしていないと別のものにみえてしまいます。

それがそれらしく見える理由を考えるのは面白いですね。

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