塗膜からオイル仕上げへ

いまも木と塗料の相性や経年変化を調べる「曝露試験」を継続しています。
塗膜塗料は雨ざらし環境で剥離する可能性があり、現在は軒下環境でのみお受けしています。ただ環境要因や初期の塗料の塗布不足・木材との相性だとか、要因はいろいろあると思います。

そんな中で塗膜が剥離した表札の修理依頼がありました。
また塗膜をしても同じ事になる可能性もあり、現在はオイル仕上げに変更という事でご了承してもらっています。

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こちらの表札。ベースがウォルナット、文字がホワイトオークです。全体の剥離がみられています。

修理の仕方は
① 文字の取り外し ② 塗膜をやすりかけしてすべて除去
③ 破損している文字の切り出し ④オイル塗布 ⑤ 取り付け・完成
という流れです。

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切り文字の外し方は、てこの原理です。ただこれ以上傷はつけないようにいろいろ工夫します。

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剥離する塗膜と木の間に斑点状の黒いカビが発生しています。でもサンディングでほぼ消えます。

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ピンはしっかりくっついていますのでペンチで抜きます。

取り外すときに繊細な文字などは破損する場合があります。その時は木色が同じ樹種のもので制作しますとほとんど作り直したのか分かりません。

あとはひたすら塗膜の剥がれの除去です。細かい文字の隙間が手間取りますがほぼ取れます。

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いきなり完成の写真ですみません。
新品、とまではいかないのですがかなりリフレッシュされた、つややかな表札に生まれ変わります。

作った自分だと分かりますが、ウォルナットも経年の味わいが増しています。
切り文字は2個ほど作り直していますが、まず分かりません。

オイル仕上げは定期的なメンテナンスとしてオイルの再塗布が必要ですが、どんどん味わい深い表札になっていきます。

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