2019.03.21
カテゴリ:制作風景
割れ止めのチギリ
通常、制作物には良い部材を木取りします。
ただ今回制作している表札はちょっと手を加える必要がありました。
チークの厚板で20cmのサイズ。手持ちの材では最大の幅になります。
その端の方に小さなひびが見られます。黒っぽい部分です。
大きいサイズなのでこの部分を避けられません。
表札は設置する環境が比較的厳しいので、木材の収縮によりヒビが広がる可能性もあります。
依頼主にご了承をいただいて、裏面にチギリを入れて割れ止めを施すことにしました。
チギリとは、蝶や蝶ネクタイのような形をしたものです。
この形状で割れた部分がこれ以上広がらないように止めます。
切り出したチギリをつけたい場所に置いて型どります。
ドリルや彫刻刀・鑿で型に沿って穴を開け、接着剤でチギリを取り付けます。
チギリの下方をほんの少し小さくしておくと良いです。
はみ出た部分を削り、表面を滑らかにして完成です。
焼き物の金継ぎのように装飾的な意味合いもありますので、ベースの板とは別の木材で作ることが多いようですね。
きれいな無垢の板とはまた違う価値が加わり素敵だなと思います。長く使っていただけたら幸いです。