丸型看板ができるまで

先日、12cmの丸型の看板を作りました。
いつもは表札としてお作りしているものですが、このサイズで看板として使いたいとのご依頼でした。

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何度かイメージ図をやり取りして、最終的にはお客様がご自分で切り貼りしたレイアウトの写真をもとに作り上げました。

今回は、レイアウトを作る段階でどうしようかな…と思っていた部分や、制作時の苦労みたいな話を載せたいと思います。

奥様がケアプランセンターを開設されるというU様のご依頼でした。

問題はこの「ケアプランセンター」の切り抜きです。
写真の画像ではこの文字は黒くなっていますが、ベースの板のメイプルを切り抜いています。
ですので「ケアプランセンター」の「プ」の○の部分、そのまま切り抜くと抜け落ちてしまいます。少し大き目の文字なら一部分をつなげて切り、表面を彫り込んで加工をするのですが、この小ささだとそれもできませんでした。

考えた末に取った方法はこれです。

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まず、「○」の直径に合わせたドリルで10mmほどの穴をあけました。

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次に同じメイプルの端材で箸のようなものを作り、先端10mmのところを切ります。

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ピンセットで穴の中に配置して、太さや高さを微調整して、

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ぴったりのものに仕上がったら、穴の中に接着剤をいれて、押し込んで完成です。爪が長く見苦しいことをお詫びします。

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裏から光などが入り込まない限り、他の文字と同じようにしか見えないと思います。
工夫すると何とかなるものです。

…と、一つの難関を乗り越えて今度は切り出し文字の取り付けです。
丸ゴシックの細めな文字で、簡単ではありませんが以前にも作ったことがあるのでこのくらいの細さの文字は大丈夫…、とドリルで浮き文字のための穴をあけていたらこれです。

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目打ちで穴は開けていたのですが、落としたドリルが横に滑って端に穴を開けてしまいました。ざんねん…。

穴をあける作業は、文字を切り抜いてやすりをかけ、オイルを塗って乾燥させて最後の最後に開けるため、失敗するとダメージが大きいのです。 やってしまった時は「あ~あ!」と大声を出して、妻にやり場のない愚痴を言った後で、気持ちを切り替えて作り直しました。

これまで同じような失敗を3~4回しています。そのたびに失敗から学んでいるにもかかわらず、またやらかしてしまいました。
でも一つの文字だけの作り直しだからまだ気は楽です。
ベース板への掘り抜きは、失敗すると全部作り直しなので気は抜けません(これまでの失敗は1度だけ)。

こんないろいろがありましたが、無事に納品することができました。
今もケアプランセンターの入り口で頑張ってくれているでしょうか。U様、今後もどうぞよろしくお願いします。

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