貼ったり剥がしたり

全国的に暑い一日でした。 松本も30度近く気温が上がり、まだ体が慣れていないからグロッキーです。
今年も冷凍庫に常備しているガリガリ君を食べて涼を得ています。

月末が近くなり、今月中の納期の追い込みに励んでいます。
粉まみれになりながらも必死になっています。時間をかけて、ミスのないようにする事だけが早道なので…。

さて、今回のタイトルは制作するときの大事な工程の話です。

一つの表札が出来上がるまでに、木が傷つかないようにマスキングをしたり型紙を貼りつけたりといろいろ貼っては剥がしています。

様々な文字を切り抜く時もフリーハンドではなく、文字を印刷した紙を木材に張り付けて糸鋸盤で切り抜きます。

文字を切り抜く時、紙がしっかり貼り付いていなくて、鋸刃が動いているときに剥がれてしまうと墨線(切り抜く線)が分からなくなって中断します。かといって貼りつきすぎて、剥がすのに紙がビリビリ破けるのもイライラします。

つまり貼るときはしっかり貼りついてくれて、剥がすときはすぐ剥がれてくれないと困るわけです。こんな都合のいい要求を呑んでくれる道具があるんですね。

画像の説明

このふたつです。
左の缶が「ペーパーセメント」という糊です。
用途によって何種類かあるようですが、とりあえずこの青い缶のものを使っています。
キャップにブラシがくっついていて(昔プラモデルを作ったときのボンドのようなものと言ったらお分かりでしょうか?)、貼りたい紙にぺトぺトと塗ったら乾かないうちにすぐ貼りつけます。

糊がゴム状で、紙を剥がして糊が残っても指でこするときれいにはがれます。でも張り付けた紙をもう一度使いたいときや、簡単にスルッと剥がしたい時に、隣の赤いボトルの道具を使います。

これは「ソルベント」という剥がし液です。
すぐ揮発してしまう液体のため、このような独特の形状の容器が役立ちます。
底の部分が「ぽっぺん」みたいにぺこぺこと動きます。ノズル上部の調節ねじで液量を調節して、底をペコペコ押して液を出していきます。

実はこのソルベントの容器、20年ほど前にモノの雑誌で見ていて欲しいなあと思っていました。その当時は何の目的の道具かもわからずに形だけで欲しいと思っていましたが、いまこの仕事のために使うとは思ってもみませんでした。
なのでこのボトルを使うだけでちょっと気分が上がります。単純です。

でも頻繁に使う道具が使いやすいのは、けっこう大切なことですよね。それがお気に入りだとなおさらです。

そこにあると雰囲気を作ってくれる、この存在感が気に入っています。

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