岡大入院記4 チェスと前日の心境

12月もあと1週間だというのに雨が静かに降っています。
住んでいる松本では雪が降る季節です。
やはり今年が暖冬なのか、岡山が暖かいのか分かりません。

執刀医の先生の回診や他の先生の話、手術室やCICUの見学も終わり、とうとう手術は明日24日の8時30分からと決まりました。

何年もずっと待っていたことで、しかも入院してからさらに2週間が経過し、少しずついろんな疲れが蓄積してきた所ですが、やはりその日が間近にせまると気持ちが落ち着かなくてそわそわしています。

子どもの入院しているこの2週間、私は岡山の友人のご厚意で、空き家をお借りして寝泊まりしていました。夜だけの滞在ですが、二階建ての家は一人には大きすぎて、限られた照明器具と不馴れな部屋で何となく心細さもあり、自然と独り言をぶつぶつ言いながら生活しています。

夜に戻った家のなかで、依頼のあった表札の製作や仕上げをゆっくりと行っていましたが、やはり気持ちが落ち着かないせいか、あまりはかどりません。

TVやラジオのないシンとした部屋で、何かに気持ちを没頭させたいので久しぶりに本を何冊か読んでいました。
長田弘 「猫に未来はない」
小川洋子「猫を抱いて象と泳ぐ」
恩田陸 「夜のピクニック」
猫がタイトルに二つもあるのは偶然だと思いますが、どれも気分転換になりました。
特に小川洋子さんの小説は心に残りました。チェスをめぐる主人公の数奇な人生の話ですが、そのチェスというゲームそのものにも興味がわきました。

折しも、病院のプレイルームに置いてあるボードゲームのなかに、小さなチェス盤がありました。
うちの子どもはもちろんルールが分かるわけもないのですが、様々な形の駒に興味を持ってチェスボードに並べていました。

画像の説明

真剣な面持ちで並べていました。その結果がこれです。

画像の説明

チェスと将棋とオセロと囲碁とダイヤモンドゲームとバックギャモンとサイコロがミックスした、じつにアバンギャルドな盤が出来上がりました。

小さなものが好きで、丁寧に並べたり重ねたりが大好きな子です。

昨夜は遊び足りず夜の8時までプレイルームに付き合いましたが、睡眠リズムがくずれて明け方までナースステーションで過ごしていたとのこと。そのせいで今はめずらしく長い昼寝をしています。

初めてにして人生最大の出来事が近くなり、3人それぞれがそれぞれのかたちで時を感じているのかもしれません。

明日は長い1日。今夜は何も考えず早く眠りたいという心境です。

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