300年の花

今朝は寒くて目が覚めました。窓を開けてもいないのに。
子どもは布団をはいで床のひんやりした所まで移動しているから直してあげて、押し入れから薄い布団を出して掛けました。 秋が近いですね。

松本に3年ぶりに戻ってもうすぐ半年、懐かしい場所にはだいたい行きましたが、季節が巡って初めて見ることのできる風景もあります。
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最初に松本に住み始めたときは、浅間温泉でした。
県外に住んでいた私は浅間山と浅間温泉が一緒になっていて、あの浅間山荘事件のあったところか…と思っていました。でも全く場所が違います。よく勘違いされる事のひとつだと思います。

松本の奥座敷と言われていたし、少し山間に湧く温泉街のイメージがあったために、すごく不便な場所に住むんじゃないかと父親に心配されましたが、松本の街に溶け込む温泉街のひとつでした。

老舗の旅館や温泉街独特の風情、外湯の施設がところどころにあったりして雰囲気が残る土地でしたが、その中でも私たちが気に入っていた場所が、枇杷の湯です。

枇杷の湯は昔は旅館として営業していたそうですが、事情により今は日帰りの入浴施設になっています。でも歴史ある建物が残っており、とても雰囲気が良い場所です。

そしてこの季節の見所で、さるすべりの木が花を咲かせています。
さるすべりの木

写真がいまいちですが、樹齢300年を超える大木が7本あると言い、高さは5メートルを超すものもあるそうです。
たしかに間近で見ると見上げる大きさです。

濃いピンクの花が、青々した緑の葉に映えてとても美しいです。
そして古い木造二階建ての施設とよく似あいます。

少し温泉街の奥のほうにあるので、地元の人でも知らない方もいます。
私たちはこの木と建物を見つけて以来、この季節には必ず見に行きます。ほんとに一見の価値はあります。

10年、50年、100年の時間の経過でも、このような雰囲気をつくる事の出来ない庭の風情には、ただただ感服するばかりです。
長く残ってほしい、松本の風景のひとつです。

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